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ストロベリー・オン・ザ・ショートケーキ

  君の涙の味なら きっと
  誰より 僕がよく知ってるから

  天気予報に顔しかめないで
  傘とコート 引っ張り出してさ

  だって 空から降る Sugar & Drops
  こんなにも 世界は甘い



  お菓子の家の夢も失くして
  「居場所なんてない」だなんて

  ナイフみたいに尖ってるなら
  銀のフォークも忘れずに

  光る 空がこぼす Honey & Syrup
  昼も夜も 僕らつつむ


  君と
  空から降る Sugar & Drops
  こんなにも 甘い世界の上に
  ちょこんと乗った Strawberry









今日の空はなんだかとても青く綺麗で、
思わず携帯を高くかざしてみたりした。
何もボタンは押さないけれど、
ねえ、まだつながってるって信じてもいい?








どうせ落ちていくのなら、舞う雪のように軽やかに。

歌うたうなら、吐息のように仄白く目に見えるように。

冷たく凍るなら、つららのように鋭く透明に。

いずれ融けて流れるのなら、花秘める桜の根元へ向けて。








恋を重ねるごとに、心は擦り減って壊れていく。
ひとつひとつ道を塞いでいくように、新しい何かを知っていく。

一時のささやかな温もりは、
引き剥がすときに一生痛む傷を残すことも。
裏切られるつらさも、裏切る弱さも。
報われぬ想いに身を焦がしたところで、
叶ったとたんに冷めることも。
そして、それでもやはり独りではいられないことも。

次の誰かに差し出す僕の手は、きっと冷たいだろう。








大人になれば、辛いことなんてないと思ってた
恋を重ねれば上手くなるんだと思ってた

 「傷はいつか治る」なんて嘘
 「願いはきっと叶う」なんて嘘
 「ずっと忘れない」なんて嘘
 「もう平気だから、さよなら」なんて嘘

今日も探してるんだ、子供騙しじゃないとびきりの嘘を
なにもかも全部塗り固めて、いつか琥珀になるといい。








さぁ、もっと恋の詩を紡いでおくれ。

結局のところ後に残るのはそれだけだけど、
それは世界を少しは綺麗に見せてくれるから。








オレンジ・デイズ


もし赤い糸ってヤツが目に見えたとしたら
地平いっぱいに広がる赤く細い網の目に覆われて
地球はまるで冷凍みかんのようだろうね。

自分の指が繋がる先よりも
そんなことを気にしていたあのオレンジ・デイズ。



「ひとりは嫌だ」なんてみっともないセリフ、
死んでも吐くもんかって
歯を食いしばったまま
ひとりになったりふたりになったりまたひとりになったり
回数を忘れるほど繰り返して
ある日ふと気付くんだ。

「最初は、誰にその言葉を聞かれたくなかったの?」
そして今も耳に残るストレンジ・ノイズ。



秒単位で何もかも奪われていくと知りながら
それでもカラカラと歯車を回し続けるのをやめないのは
たぶん、少しは幸せだからなんだろう。
その音はフィルムを再生する映写機の音にも似て。

奪われたものはどこか別の土の上でまだ輝いていると思えるから
だから今はチャレンジ・フェイズ。








隅っこで泣いている君の
王子の役は僕ではないから
ドレスを着せて送り出す。

やがて君は何かを失くして帰って来るだろう。
僕は黙って甘い香りのお茶で出迎えるんだ。
あぁ、そうだね。僕の手は
少し暖かいだけの無力な手だから。

たとえこの世に何度0時が来たって、
鐘の音とともに掛け直す、その場しのぎの魔法。

君が痛みを諦めるまで、
何度でも掛け続ける、些細な魔法。








乾いた空に溶けた涙やため息が、雨になって戻ってくる日。

世界の中で傘を開けば、自分が占める領域のちっぽけさに気付くね。

投げ捨てて走り出せば寄り添えるのに
ただの水からどうしてそんなに身を守るのって、
きっと君は笑う。








贋作:電車男


 他には誰も居ない、灰色の駅で電車を待つ。
 君は黒色の電車、僕は反対側の白い電車を。

 僕は君を見る。君は見ていない振りをする。
 茶色い革製のスーツケースの上に、君は腰掛けている。

 好きになれない煙草の匂い。大好きな仕草。

「なんでも美化しようとするの、悪いクセよ。
 だから余計つらくなるのに」

「そうだね。
 だけど、ずっと続くわけじゃないから」

 昔みたいに泣けなくなった。
 忘れていくことをおぼえてしまったから。
 やがて何も残らなくなるのなら、どうして今ここに居るんだろう。

「でも、忘れていくのは――」
 言いながら、君は少しだけ微笑む。
「私の可愛くないところからにしてね」



 黒い電車がホームに入る。
 スーツケースを置いたまま、彼女は一人で電車に乗る。
 彼女は何も持って行かない。

 見知らぬ乗客たちに混じった彼女が、僕に向かって手を振ったとき、
ドアが閉まる。
 彼女の唇がいつかのように動いて、
僕は頭の中で聴き慣れた彼女の声を再生する。


 そして電車が動き出し、僕はホームにひとり残された。

 白い電車が来るまでの、
 永遠に終わらない数分間。

 ……そうだ。これも彼女がくれた時間。

 彼女が残した空虚だ。
   





 

恋する彗星


  恋に落ちると意外に僕は、
「君を中心に地球は回る」だとか、そういうタイプだったりする。

その地球から浮いている僕には、
あまり意味はないんだけどね。

天高くからずっと見ている。
君と、目まぐるしく動くまわりの全てを。

けれども白夜は永遠には続かず、
やがて闇の幕が君を覆い、僕には何も見えなくなる。

君の引力が弱まったら、
孤独の慣性ベクトルで、また宇宙の彼方に飛び立とう。

想いの尾を引くホウキ星。
いびつな楕円の軌道に乗って、もういちど氷と真空の海へ。


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